個人企業の事業承継税制が実現します。

 青色申告会が長年にわたり要望し、働きかけをおこなってきた「個人企業の事業承継税制」が平成31年度税制改正で実現します。 青色申告者の事業継続を前提に、2019年1月1日以後に承継した一定の事業用資産について、承継時の税負担を100%猶予する制度が創設されます。(平成31年3月27日開催の参議院本会議で法案が審議されます。) これにより、青色申告をおこなう事業所得者の経営環境を整え、事業の継続・発展をはかることができます。

個人企業の事業承継税制(概要)

□相続税だけではなく、贈与税も猶予の対象になります。
➡ 生前贈与で、事業承継の準備を早めにおこなうことができます。
□事業継続に必要なさまざまな事業用資産が対象になります。
■土地・建物(土地は400㎡、建物は800㎡まで)
■固定資産税の対象となっている機械・装置、工具・器具・備品などの償却資産
(例)工作機械、パワーショベル、冷蔵庫、医療機器、美容・理容機器など
■自動車税もしくは軽自動車税の課税対象となっている車両・運搬具
■生物  (例)乳牛、果樹など
■無形償却資産  (例)特許権、鉱業権など
※ 対象となる事業用資産は先代の事業(不動産貸付事業等を除く)に使用し、先代の青色申告書(いわゆる65万円控除の対象となるもの)に添付される貸借対照表に計上されているものです。
注1)担保の提供が必要になります。
注2)2019年4月1日から5年以内に、都道府県に承継計画を提出して経営承継円滑化法の認定を受けることが必要です。
➡ 3年ごとに税務署に継続届出書を提出します。
注3)10年間の特例措置です。
➡ 2019年1月1日から2028年12月31日までの間におこなわれる相続等や贈与が対象になります。

小規模宅地等の特例の見直し

対象となる事業用の小規模宅地特例について、相続開始前3年以内に事業に使い始めた一定の宅地等を特例の対象から除外する改正がおこなわれます。